イオンクロマトグラフィー(IC)・HPLC・LC-MS において、水はどのような影響を与えるか?
液体クロマトグラフィーにおいて、水は最も大量に使用される「試薬」であり、その純度は特に高感度分析では極めて重要です。
水は、固相抽出(SPE)などのサンプル前処理、溶離液、試薬ブランク、標準液の調製に使用されますが、水に不純物が含まれていると、バックグラウンドノイズやドリフトの増加、不要なピークの発生・増大を引き起こし、感度や選択性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、ピークやバックグラウンドの位置を自動選択する近年のソフトウェアは、汚染による予期しないバックグラウンドの変化に特に敏感に反応してしまいます。さらに、不純物がシステム内部に蓄積すると、長期的にドリフトを引き起こし、部品の劣化につながることがあります。
水中のどのような汚染物質が液体クロマトグラフィー (LC) の結果に影響を与える可能性があるか?
HPLCとLC-MSに影響を与える水中の主な不純物は有機化合物であり、イオン、バクテリア、微粒子も影響は少ないものの存在します。イオンクロマトグラフィーは特に微量のイオン性不純物の影響を受けやすいです。
有機化合物
LCに使用する水に有機化合物が存在すると、クロマトグラフィーにおいて様々な問題が発生する可能性があります。例えば、固定相上の活性部位を分析対象物質と競合したり、活性部位を塞いだり、ゴーストピークを形成したりします。また、LC-MSにおいても、対象元素に近い質量を持つイオンを生成したり、イオン化効率に影響を与えたりすることで、干渉を起こす可能性があります。
イオン
イオンクロマトグラフィーに使用する水中のイオンは、バックグラウンドノイズを増加させ、感度と再現性を低下させる可能性があります。
イオンクロマトグラフィー、HPLC、LC-MSに必要な水の純度はどの程度ですか?
必要な水の純度は、アプリケーションの感度によって異なります。一般的な分析にはType II水(純水)で十分ですが、高感度分析には不純物を極めて低いレベルに保つことが不可欠です。特に高感度な用途では、TOC値が2ppb未満であることが極めて望ましいです。
方法 | 感度 | 比抵抗値 (MΩ・cm) | TOC値 (ppb) | フィルター (µm) | 細菌 (CFU/mL) | エンドトキシン (EU/mL) | ヌクレアーゼ | 水グレード |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HPLC | 一般 | >5 | <20 | <0.2 | <10 | 該当なし | 該当なし | 高純度純水 Type II+ |
HPLC | 高感度 | >18 | <2 | <0.2 | <1 | <0.03 | 該当なし | 超純水 Type I+ |
IC | 一般 | >5 | <50 | <0.2 | <10 | 該当なし | 該当なし | 高純度純水 Type II+ |
IC | 高感度 | 18.2 | <10 | <0.2 | <1 | <0.03 | 該当なし | 超純水 Type I+ |
LC-MS | 高感度 | >18 | <2 | <0.2 | <1 | <0.03 | 該当なし | 超純水 Type I+ |
エルガはLCに関する水質の問題にどう向き合っているのか?
エルガは長年の専門知識と実績を持ち、研究・分析の用途に応じて必要な水の純度を適切に提案できるチームを有しています。
イオンクロマトグラフィー、HPLC、LC-MSの要件を満たす水を供給するため、同社は多数の実績ある純水・超純水製造装置とそのシステムを提供しています。
例として、卓上型の PURELAB Chorus 1 Analytical Researchは常に以下の水質を提供します:
比抵抗値:18.2 MΩ・cm(Type I/I+)
TOC値:2 ppb未満
これはすべてのLC用途に適しており、特にイオンクロマトグラフィーでは重要となるイオン純度について、先進的な PureSureシステム(エルガ独自の効率的な脱イオン方式) によって、安定した高い水質を実現しています。
また、TOCモニタリング機能も標準搭載されています。
まとめ
液体クロマトグラフィーは非常に高感度な技術であるため、溶離液、ブランク、サンプル、標準液の調製に使用する水が汚染をもたらしてはなりません。
TOCモニタリングは、有機性不純物に対する品質保証として不可欠です。
Type I(超純水) または Type I+ (より高純度な超純水)水の使用は必須です。
特にエルガの PureSureシステムは、イオン不純物を排除するうえで非常に有効です。
一般的な用途であればType II+水(高純度純水)を精製するシステムが適しています。
