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イタリア

ヴェネツィア大学CNR研究所

PURELAB®︎ flex 3の超純水を活用した南極の秘密の解明

イタリアの国立南極研究プログラムに携わる科学者たちは、南極の氷、雪、堆積物、大気、および海洋のサンプルを30年以上にわたり分析し、この地域の化学物質の自然における標準的な濃度と分布を調査し、時間の経過による変化を研究しています。これらの測定は、非常に高い感度を持つ分析技術と、純度の高い水を必要とし、エルガの超純水は、この研究において重要な役割を果たしています。

南極大陸の海をリサーチするチームの写真
南極大陸の海をリサーチするチームの写真

舞台は南極大陸

南極大陸は、地球上に残された数少ない原始的環境の1つです。南極および南極海での研究は、地球規模の気候および環境変動を理解する上で非常に重要です。地域の特性やプロセス(例:気温や降水量の変化、氷の融解など)は、大気の組成から海洋の循環まで、地球全体に重要な影響を与えます。さらに、この地域は地球環境の変化に対しても敏感で、気候変動を加速させるような強い影響を及ぼす可能性があります。

クライアントのミッション

CNR-IDPA(イタリア学術会議/CNR Institute for the Dynamics of Environmental Processes)およびヴェネツィア大学の環境科学情報学部は、環境マトリックス中の超微量物質の分析を専門としています。科学者たちの専門知識を活かし、CNR-IDPAは南極への船舶探査で、氷床(氷の層)のコアサンプルの回収と分析や、海洋、雪、大気中のエアロゾルのサンプル採取において重要な支援を行ってきました。これらの凍ったサンプルは、その後、ベネチアで厳密に管理された環境で分析されます。

容器の準備における超純水の重要性

研究チームは、数週間にわたる厳格な洗浄プロセスを経て、環境分析に使用されるすべてのサンプルボトルに汚染がないことを確認する必要があります。この作業には超純水の使用が欠かせません。2002年以降、ヴェネツィアの研究所は、超純水の製造にエルガ製品を活用しています。

南極に送られるポリエチレンおよびテフロン製のサンプルボトルは、ヴェネツィア大学で徹底的に前処理され、エルガ PURELAB Ultraから供給される超純水で何度も洗浄され、最終的に高純度の酸とPURELAB Ultraから得られた超純水で調製された0.1%塩酸で満たして保管されます。

CNR-IDPAの分析化学者であるウォーレン・ケアンズ博士は次のように説明しています。「南極のような純粋な環境で基準レベルを監視する際には、サンプリング手順中に汚染物質を持ち込まないことが極めて重要です。私たちのクリーンルームにはエルガ PURELAB Option-QとPURELAB Ultra Analyticが設置されており、ボトル洗浄プロセスに必要なType I 超純水を提供しています。南極に送る前に、LDPE(低密度ポリエチレン)製のサンプリングボトルを洗浄し、絶対に汚染物質を持ち込まないようにするために、膨大な量の超純水を使用しています。洗浄後、ボトルは三重に袋詰めされ、熱シールされて現地で使用する準備が整います。」

南極への遠征

船は2011年11月にイタリアを出発し、プロジェクトに関わる14人の科学者が2012年1月にニュージーランドで合流しました。彼らは、その後の2か月間、南極でサンプルを収集しました。この遠征は2012年4月に終了し、船は300を超える凍結サンプルを持ち帰り、イタリアに帰還しました。

この遠征では、大気、水、雪のサンプリングに重点が置かれました。分析対象には、特に懸念の大きい残留性有機汚染物質(POPs)や水サンプル中の希土類元素(REEs)が含まれていました。

エルガの貢献

すべてのサンプリング機器が清潔であることは非常に重要であり、サンプルの採取や取り扱い時に汚染を最小限に抑えるためには、信頼できる超純水の供給が不可欠です。そのため、エルガは、サンプリング機器の初期準備やサンプル分析時に使用される基準水およびブランク水の製造装置としてPURELAB Ultraを提供しました。さらに、船上ラボにはPURELAB flex 3が装備されており、遠征中も安定して超純水を供給しました。

PURELAB flex 3は、船上の大きな造水装置を供給原水として超純水を製造し、ラボの清掃、ボトルの洗浄、およびサンプリング機器の使用前やサンプル間の洗浄に使用されました。PURELAB flex 3は非常に厳しい条件下でも信頼性の高い超純水を精製しました。

TESTIMONIAL

お客様の声

「PURELAB flex 3システムのおかげで、微量濃度の無機化合物を分析するためのサンプリング材料を効果的に除染することができました。このシステムは非常に多用途で、比抵抗値が安定しており、作業を中断せずに迅速に水を精製することが可能です。」

エレナ・バルバロ博士

CNR環境プロセス動態研究所

PURELAB® flex 3
PURELAB® flex 3

当ケーススタディで紹介されている製品

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PURELAB flex 3

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